風の王国
毛利 志生子
時は7世紀。唐の皇帝、李世民の姪でありながら、商人の娘として育てられた翠蘭は突然皇帝に呼び出され、こう言われる。「そなた、朕の娘となって吐蕃国に嫁がぬか?」辺境の地、吐蕃(現在のチベット)に政略結婚で嫁ぐことになった翠蘭は、自ら馬に跨がり旅路に出るが、待ち受けていたのは、思いもかけぬ事件と、胸を焦がすような出会いと…。歴史を駆け抜けたヒロインの、運命の物語。
・風の王国
・風の王国 天の玉座
・風の王国 女王の谷
・風の王国 竜の棲む淵
・風の王国 月神の爪
・風の王国 河辺情話
・風の王国 朱玉翠華伝
・風の王国 目容の毒
現在8冊刊行の歴史モノ。
チベットの歴史は素人にしては詳しい方だと思う。
というわけで、主人公の行く末は知っているのだけど、
そこは、、、大河ドラマを見るときのような気持ちで楽しんでいる。
27歳には多少むずがゆい恋愛あり、政治的謀略あり、アクションあり。
舞台は唐の時代のチベット。
玄奘(三蔵法師)のあたり。
高校では彼女の父、李世民くらいしか出ないだろうな。
ちょっと関連書でも読めばでてくると思うけど。
主人公は文成公主、夫はクンソン・クンツェンという名です。
吐蕃王ソンツェン・ガムポ、側近のサンボータあたりは有名人物。
でも、脇役もかなり史実に近くて、
私が分かって「おお」と思ったのはディ・セルかなあ。
歴史マニアっぷりを発揮したところで自主規制。
この先のストーリーが分かってしまうので、
知らない人は調べない方がいいかもしれない。
激動です。
チベットの風景描写もいい。
あんまり草原の国って書き方ではなくて、そこも新鮮。
いわゆるライトノベルです。
大ざっぱに言うとライトノベルにも漫画と同じく少女系と少年系があって、
私が読むのは少女系がほとんど。
少年系は、ロリータな女の子だの何だのが出てきて触手がわかない。
少女系も、表紙のイラストや幼い恋愛には戸惑うのだけど…。
読み始めたきっかけは氷室冴子の『なんて素敵にジャパネスク』。
小学生の頃だった。
その後10代前半でほとんど読まなくなったのが(例外は『十二国記』)
去年友人から彼女の姉がライトノベル作家になったと聞いたり、
古い知人がこちらも知らぬ間にライトノベル作家になっていたと知ったりで、ちょこちょこ読むようになった。
ただ、知らぬ間にライトノベルの文庫が異常に増えていて
何が何だかサッパリ?な状況になっていたため、
昔読んでいた作家や友人おすすめの作家を中心に読書中です。
正直、当たり外れがでかい。
あ〜これ、あれの焼き直しだなあ、みたいなのも多いし。
それでも面白ければOKだけど、断然元の話の方が面白いと萎える。
ただ、中には、『十二国記』のように体裁を変えれば
もっと沢山の人が手にとって楽しく読むのになあと思うものもある。
実際、『デルフィニア戦記』や有川浩等はそれで読者層が拡がったはず。
この風の王国シリーズは、色々読んだ中でも面白かった。
最初に書いたように、恋愛部分は平成の27歳女としては共感しづらいけれど…
リアルな恋愛モノばかりが良いとは限らないし。
エグミもありつつ、どこかふわんと優しい感じ。
表紙の絵がなあ、なければなあ。
イラストレーターがダメというのではなくて、
小説に漫画の絵、それがワンサカ積まれたコーナーに抵抗を覚える。
うーん、でも、そこに面白い本があるのなら通り過ぎることは出来ない。
amazonに頑張ってもらいつつ、いい本は逃さず全部読んでいきたい。
果てしなすぎる野望です。
本、ありすぎ!
うれしい悲鳴です。
そして眠い。
ゼロ歳児、宵っ張りなのか?
それとも睡眠環境が悪いのか?
謎だ。
この世は不思議なことばかりです。