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あらすじ:
結城中佐率いる“D機関”の暗躍の陰で、もう一つの秘密諜報組織“風機関”が設立された。だが、同じカードは二枚も要らない。どちらかがスペアだ。D機関の追い落としを謀る風機関に対して、結城中佐が放った驚愕の一手とは―。表題作「ダブル・ジョーカー」ほか、“魔術師”のコードネームで伝説となったスパイ時代の結城を描く「柩」など、5編を収録。吉川英治文学新人賞&日本推理作家協会賞W受賞の超話題作『ジョーカー・ゲーム』シリーズ第2弾、早くも登場。
帝国陸軍の鬼子、結城中佐率いるD機関というスパイ組織の人間が出てくる
連作短編ミステリ。
1作目がわりと面白かったので続きも図書館にリクエストしてみた。
読みやすい。
雰囲気も好き。
今回は、結城中佐の過去に絡む話やパールハーバー絡みのお話もあって
前回よりは派手なお話が多かったかと。
全体的に淡々と、いや、ひょうひょうとした、なのかなー?
雰囲気を感じるお話でもある。
それにしても、スパイや事件の数だけお話を自然に増やせる
よい設定だなー。
人気があればどこまでも引き伸ばせるではないの・・・
なんて編集が欲をかいてしまいそうだ。
陸軍内でも機密扱いの諜報機関、D機関。
この言葉に惹かれる人は一読して損はないかと。
腐女子もたぶん好きです、とは後輩の言。
そうなのか。
その流行に乗り損ねた、古い本読みなので、
断言はできないけれどもそんな意見もあるということで。
雑記。
◆甲子園
見てませんが(多忙のため)、結果は注目しています。
春よりは夏の方が好き。
昔応援に行ったけど、
待ち時間が長くて試合開始前に暑さでぐったりした記憶が。
◆ガンバ低迷
まだ一勝もなし。
見守るのみ。
そのうち観戦に行きます。
清水の調子のよさは小野くんの加入効果なのか・・・と
ミーハーなことを考えてしまう。
柏はわりと順調な滑り出しのようでちょっと安心。
といっても生で見ていないので、詳しい状態はわからず。
どちらにしろ何でもいいからリーグの試合を生観戦しにいかねば。
◆あっさり
大きな仕事の担当を3月中旬で離れることが決まって、
直前までは気持ちがざわざわして仕方なかった。
泣きそう、でも泣かない、を直前まで繰り返したのに
あっさり期間限定で復活。
といっても、4月1日まで。
さみしさは、きっと終わった後にじわじわくると思う。
自分にとって大きなものほど、失ったときに泣けない。
◆ぐたぐだ最終回
上記の通りあっさり限定復活したわけですが、
そんな展開があるとはまるで知らなかった最終日(だったはずの日)。
その日の仕事の流れ、
最後の挨拶はこんなことを、
とものすごく準備していたにもかかわらず、
スケジュール変更などイレギュラーが続いてぐだぐだで終了。
泣きました?と聞かれたけど、
当初とは違う意味で泣きたかったです。
変わらないで欲しいと言われたことにもひとまずほっとした。
それなりに、仕事できてたんだな、と。
もちろんそうなるように努力していたし、
その感触もあったけど、やっぱり口に出して惜しんでもらえてうれしかった。
あーやっぱり寂しいなあ・・・・。
◆花見
週末のお花見のお誘いも仕事でキャンセル。
このまま行けずじまいの予感。
あらすじ:
「そこにぼくの音楽があるんです!」家族、初恋、音楽…。心温まる涙と感動の青春&家族物語。
ヴァイオリン少年とその家族がカルテットを組むという音楽&家族小説。
ヴァイオリンの才能がある少年、開。
フルートをやめてしまい、今はサッカー部の先輩に恋するアユファンの姉。
失業中で、昔はピアニストを目指していた父。
同じく昔はチェロをやっていた母親。
家族中がうまくいかなくなる中、少年の思いつきでカルテットをくんだものの
練習もぎくしゃく、演奏ではドタバタ。
わかりやすくよみやすいお話で一気に読んでしまった。
もう少し深い音楽の描写やエピソードが読みたかったけど
薀蓄が苦手な人もいるだろうし・・・
これはこれで面白かったなー。
ヴァイオリンの美人先生と有名指揮者が、もう少しあれこれ絡んでくれたら
更に好みのお話だったかもしれない。
少年の成長ものでもあるけど、
「船に乗れ!」のようなびっくりする痛々しさはなし。
その点では安心して読めるかと。
その他、クラシック音楽の演奏者主人公で、お勧めの話をいくつか。
◆船に乗れ! 全3巻
あらすじ:
音楽一家に生まれた僕・津島サトルは、チェロを学び芸高を受験したものの、あえなく失敗。不本意ながらも新生学園大学附属高校音楽科に進むが、そこで、フルート専攻の伊藤慧と友情を育み、ヴァイオリン専攻の南枝里子に恋をする。夏休みのオーケストラ合宿、市民オケのエキストラとしての初舞台、南とピアノの北島先生とのトリオ結成、文化祭、オーケストラ発表会と、一年は慌しく過ぎていく。書き下ろし、純度100パーセント超の青春2音楽小説。
音楽小説としても、青春小説としても名作。
2巻以降のシリアスな展開、主人公の行動はとても痛々しいので
好みじゃない人もいるかも。
でも、名作。
未読の方には是非一読をおすすめ。
◆オケ老人!
あらすじ:
平均年齢世界最高齢!梅が岡交響楽団!!
平均年齢世界最高齢のアマ・オーケストラ「梅が岡交響楽団」(略称・梅響)が、
エリートアマオケ梅フィルに挑むなか、日本・ロシアの国家レベルの情報戦にまで
話が飛躍する、全く新しいエンターテインメント!
あまり評判を聞かないけれど、これもおすすめの音楽&老人小説。
癖のある老人がいっぱいで、
昔からラピュタなら空賊のおばあちゃんが好きだった私にはたまらない。
途中、音楽とはまるで違うロシアスパイの話が絡むものの、
最後までハートフルかつパワフルなエンタメ小説。
頭でどうこう、というより素直に楽しむ系統の物語だと思う。
音楽モノが未読で、あらすじを読んで気になった人は読んで損はないかと。
あらすじ:
とある町の北はずれ、こんもりとした山を中心として、南の麓に霧ガ城高校、東の麓に男子寮の青雲寮、西の麓に女子寮の孔雀寮がある。この町で青春を謳歌するクラスメイトの男女6人が、探偵小説愛好会「殺人クラブ」を結成。その活動は月に一度、山頂に集まっての会合と学園内外で起こる珍事件の解決!?エンターテイメント小説の大家・山田風太郎による、ユーモア青春ミステリの傑作が、堂々復活。
山田風太朗作の青春ミステリ。
ええー、山田風太朗(なぜかフルネームで呼んでしまう)青春ミステリ書いてたの!?
と書店で驚いた。
しかも、学生寮もの!
さらに、殺人クラブというミステリー研究会ものでもあると言われれば
今すぐ読まなあかんやろ、と使命感に燃えてしまう。
幸せそうやね、というコメントは万が一嫌味だったとしても
素直にイエスと返しておく。
だって、たまらなくわくわくするんだもの・・・・。
と、多大なる期待をよせて読んだものの、
中身はちょっと古臭く感じてしまい、楽しみきれなかった。
残念。
つまらないわけではないんだけどな。
殺人事件はおこるけど、ハードなミステリではまったくないので
ちょっと古めかしくてもかまわんという青春ミステリ好きの方は一読してもよいかと。
あらすじ:
大学を出ても就職せず、ミニシアターでバイトしながら仲間と映画作りをしている水絵は三人姉妹の末っ子。長女の亜矢はある日子連れで実家に戻って離婚騒動に、次女の真矢は不倫を脱し、奇病にもまけず転職に成功。水絵は映画合宿がつぶれて、好きな彼とはうまくいかず、夜中のドライブを楽しんだけど、今度は家族の危機が!三姉妹のゆるやかな毎日を瑞々しく描き心温まる長編小説。
姉妹が出てくる物語が好きです。
二人姉妹、三人姉妹、四人姉妹、五人姉妹。
五人以上の姉妹の物語は読んだことがないなー。
ノンフィクションなら、ミットフォード家の六人姉妹の本が面白かった。
というわけで今回は三女が主人公の三人姉妹のお話。
昔からもてたのに急に見合い結婚して主婦の長女。
高給取りで、不倫関係を清算して今は恋はいらないという次女。
サークルの男の子と付き合うも自分ばかりが好きで、
映画館でバイト中の三女。
三女の恋愛と家族のドタバタをかいた、全体的にゆるい雰囲気のお話だった。
ちょっと物足りない・・・・。
同じ作者なら、「やがて目覚めない朝が来る』の方がおすすめ。
元舞台女優の祖母、母、主人公が古い洋館で暮らしているお話。
過去の感想:http://kinako777.jugem.jp/?eid=1969
新刊コミックメモ。
◆BILLY BAT 3
あらすじ:
天正年間──伊賀の里は六万の織田勢の包囲を受け、存亡の危機にあった。百地の志能備・勘兵衛は織田勢の包囲網を突破して歴史を変える一本の巻物を紀伊へ届けるよう命じられる。だが巻物の名は“コウモリの書”!! 勘兵衛がコウモリを操るか、はたまた操られるか……!?
下山事件をネタにはるか昔から続くコウモリの謎?という1巻は
とてもワクワクしたのに、早くも飽きてきました・・・。
謎だけが提示され続け、これ最後どうやってたたむねん、と
そればっかり気になる。
あまり長く引っ張られるのは好きじゃないな〜。
真相をちらつかせて、ナットクしたら大どんでん返し!っていう展開はゾクゾクして好きです。
20世紀少年も途中で飽きてしまったし、
これもそれになってしまう予感。
でも、結末は知りたいので読みます。
◆惡の華 1
あらすじ:
ボードレールを愛する少年、春日高男。ある日、彼は、放課後の教室に落ちていた、大好きな佐伯奈々子の体操着を、思わず盗ってしまう。それを、嫌われ者の少女・仲村佐和に見られていたことが発覚!! 盗んだことをバラされたくない春日に、彼女が求めた“契約”とは‥‥!?
表紙にびっくりです。
タイトルより「クソムシ」のが大きいって。
何よりその台詞にインパクトありすぎです。
しかもこれ、少年漫画なのかー。
少年、すごいな。
懐深いわ。
ボードレールの悪の華の愛読者である文学少年が
好きな女子の体操服を思わず盗ってしまったのをクラスの女子に見られ
交換条件としてあれこれ無理難題を突きつけられる。
ばらさない代わりに契約というのは
この間読んだ「キャッチャー・イン・ザ・トイレット」と共通だなー。
どちらも変態モノ(?)でもあるし。
今回は、なんと言うか、表紙の女子がすごかったです。
これが少年誌のヒロインキャラっていうのもまたすごいな・・・。
今のところ変態ラブコメですが、
今後「キャッチャー〜」のようによいお話的な流れになるのか
はたまた変態きわまれりの、痛々しい青春モノになるのか、
展開が気になります。
表紙、買いづらいですけど、思った以上に面白くよめました。
あらすじ:
誰にでも、失いたくない楽園がある。息苦しいほどに幸せな安住の地。しかしだからこそ、それを失うときの痛みは耐え難いほどに切ない。誰にでも優しいお人好しのエカ、漫画のキャラや俳優をダーリンと呼ぶマル、男装が似合いそうなオズ、毒舌家でどこか大人びているシバ。花園に生きる女子高生4人が過ごす青春のリアルな一瞬を、四季の移り変わりとともに鮮やかに切り取っていく。壊れやすく繊細な少女たちが、楽園に見るものは
痛々しい印象のお話だった。
紅玉さんの人食いファンタジーは苦手だったけど
現代モノはいいなー。
メディアワークス、表紙がイラスト、というあたりで敬遠していたり
そもそも刊行に気づいていない人というのも多そう。
でも、少女が主人公の痛々しい思春期青春小説が好きな人なら
一読をおすすめ。
ポプラのピュアフル文庫で出ても違和感のないお話だと思う。
木地雅子さんの自意識をもてあます女子の書き方も好きだけど、
紅玉さんの息苦しそうな女子たちも中々いいなー。
爽やかさやきゅんとしたい気分の日には不向き。
「女子が主人公+章ごとに視点がかわる+同級生もの」というのは
青春小説の王道パターンの一つだと思う。
今回も、4人それぞれの見ている世界がまったく違って
その差が痛くて、でも面白かった。
男性は、女子の容赦なさにちょっと怖くなったりしないんだろうか・・・?
ふと、小さい頃見ていた魔法少女のアニメソングを思い出した。
デリケートに好きして。
男の子とちがう、女の子って、好きと嫌いだけで普通がないの。
すごい出だしで、とてもかわいい歌で、
小さい頃意味もわからずよく歌っていたなー。
2番も秀逸。
嫌いと感じたら手遅れみたい。
興味ない人と、一秒も、一緒にいられない、私たち。
やっぱりすごい歌だー。
http://music.goo.ne.jp/lyric/LYRUTND7318/index.html
余談。
「女子が主人公+章ごとに視点がかわる+同級生もの」というカテゴリで
面白かったものを幾つか。
この手のお話、好きなのです。
実際よく見かけるということは、同じ趣味の人も多いんだろうなあ。
というわけで軽く3つ。
・よろこびの歌 宮下奈都
あらすじ:
御木元玲は著名なヴァイオリニストを母に持ち、声楽を志していたが、受かると思い込んでいた音大附属高校の受験に失敗、新設女子高の普通科に進む。挫折感から同級生との交わりを拒み、母親へのコンプレックスからも抜け出せない玲。しかし、校内合唱コンクールを機に、頑なだった玲の心に変化が生まれる…。あきらめ、孤独、嫉妬…見えない未来に惑う少女たちの願いが重なりあったとき、希望の調べが高らかに奏でられる―いま最も注目すべき作家が鮮烈に描く、青春小説の記念碑。
女子高舞台の青春モノ。
有名人の娘で、受験に失敗した女の子が中心人物です。
名作。
・檸檬のころ 豊島ミホ
あらすじ:
保健室登校の女友達とのぎこちない友情。同級生と馴染めない、音楽ライター志望の偏屈な女子に突然訪れた恋。大好きな彼とさよならすることになっても、どうしても行きたかった、東京―。山と田んぼに囲まれた田舎の高校を舞台に、「あの頃」のかっこ悪くて、情けなくて、でもかけがえのない瞬間を切ないまでに瑞々しく綴る、傑作青春小説。
田舎の航行を舞台にしたお話。
豊島さんはさえない女子高生を書くのがとてもうまいと思う。
もっときゅんとしたいなら、同じく豊島さんの「初恋素描帖」がよいかと。
「リリイの籠」のこんな構成だったなー。
その他、江国香織「いつか記憶からこぼれおちるとしても」
あたりがぱっと思いつく。
桜庭さんの「青年のための読書クラブ」、
若竹七海さんの「スクランブル」(ミステリ)
加納朋子さんの「ガラスの麒麟」(これもミステリ)
あたりも高校の同級生の話が沢山出てきたな〜。
ミステリだと更に恩田陸さんあたりが沢山書いているし、、、、
ここまでいくともう学園モノつながりで、
上の細かいカテゴリからはずれてしまってるよなー。
色々模しろ異本が多くて何よりです。
追記:
山田詠美さんの「放課後のキイノート」もこのカテゴリだったような。
中学生〜高校生女子の間でわりとよく読まれる本だと思う。
今は・・・・違うんだろうか・・・・・?
一人の女性の、少女〜大人になるまでを描いたお話が好きです。
ファンタジーや古典をいれるとそれはもう膨大な数に上るテーマだと思うのですが・・・
主人公が女性
作中で主人公が1年以上年をとるもの
現実世界を舞台にしたもの
シリーズではなく、少なくとも上下巻程度で完結する、または連作短編形式
といった構成のものを幾つかあげてみます。
この手のお話が好きな人はわりと多いと思うんだけど、
なんていうジャンルになるんだろう・・・・?
連作短編形式の少女の成長小説?
長いか。
女の一生小説、は言いすぎだし。
うーん。
また、過去と現在が交互に書かれた話も入れてみますが、
これってミステリだとものすごく多い手法なので・・・
青春や一生、成長といった要素の少ない、純粋なミステリものは除外とします。
というわけで、思いつくまま箇条書き。
(長いので要注意)
◆永遠の出口 森絵都
あらすじ:
小さい頃、私は「永遠」という言葉にめっぽう弱い子供だった??。10歳から18歳まで。ナイーブでしたたかで、どこにでもいる普通の少女、紀子の成長をめぐる、きらきらした物語。
少女の青春小説が好きで、これを読んでいない人は少ないのでは。
名作。
小3~高3までの少女の成長を描いてます。
◆スコーレNo.4 宮下奈都
あらすじ:
自由奔放な妹・七葉に比べて自分は平凡だと思っている女の子・津川麻子。そんな彼女も、中学、高校、大学、就職を通して4つのスコーレ(学校)と出会い、少女から女性へと変わっていく。そして、彼女が遅まきながらやっと気づいた自分のいちばん大切なものとは…。ひとりの女性が悩み苦しみながらも成長する姿を淡く切なく美しく描きあげた傑作。
2010年都立高校入試問題にもなった小説。
永遠の出口が好きならぜひこれも。
大人になってからのお話はちょっとまとめ方が「よいお話」敵というか
ご都合主義っぽい気もしつつ・・・好きです。
少女マンガ的なんだろうな〜。
過去の感想:http://kinako777.jugem.jp/?eid=1870
◆落花流水 山本文緒
あらすじ:
甘ったれでわがままな7歳の少女、手毬。家族に愛され、平穏な日々をおくるはずだったのに…。17歳、かつては姉だった人を母親と呼ぶ二人だけの暮らし。27歳で掴んだ結婚という名の幸せ。その家庭を捨て幼なじみと駆け落ちした37歳。そして…。複雑に絡みもつれる家族の絆、愛と憎しみ。運命に流されるひとりの女性の歳月を、半世紀にわたって描く連作長編小説。
上二つに比べると、より「女の一生」的な印象が強いお話。
青春物語だけが読みたいの、という気分なら「永遠の〜」の方がしっくりくるだろうけど
これはこれで面白かった記憶あり。
◆嫌われ松子の一生 山田宗樹
あらすじ:
三十年前、松子二十四歳。教職を追われ、故郷から失踪した夏。その時から最期まで転落し続けた彼女が求めたものとは?一人の女性の生涯を通して炙り出される愛と人生の光と影。気鋭作家が書き下ろす、感動ミステリ巨編。
より女の一生の印象が濃いもの、というならこれ。
ミステリ仕立てでもあるので、青春小説嫌いでもいけると思います。
読後に爽快感を求める人にはちょっと不向き・・・・かな・・・・。
◆夜の朝顔 豊島ミホ
あらすじ:
クラスメイトとの微妙な距離感、となり町での発見、垣間見るオトナの事情…。小学生センリが初めて知る不安、痛み、恋。新しい発見に満ちた濃密な日々のなか、ゆっくりとオトナになる少女を描いた連作集。
少女小説、青春小説に特化したものならこれ。
豊島さんは色んな年齢の少女を沢山書いているので、
現代の少女ものがよみたければ一度は試してみてもよいと思います。
初期はフェティッシュな匂いの作品が多いかな〜。
最近は青春もの!という印象の方が強いです。
「リテイク・シックスティーン」はSFチックなところもある面白い青春小説でした。
これはその狭間のもの、かな・・・。
小1〜小6の少女の成長小説です。
過去の感想:http://kinako777.jugem.jp/?eid=622
http://kinako777.jugem.jp/?eid=608
◆神様のボート 江国香織
あらすじ:
昔、ママは、骨ごと溶けるような恋をし、その結果あたしが生まれた。“私の宝物は三つ。ピアノ。あのひと。そしてあなたよ草子”。必ず戻るといって消えたパパを待ってママとあたしは引越しを繰り返す。“私はあのひとのいない場所にはなじむわけにいかないの”“神様のボートにのってしまったから”―恋愛の静かな狂気に囚われた母葉子と、その傍らで成長していく娘草子の遙かな旅の物語。
いなくなった旦那をひたすら思う母親の印象が強いので当初は恋愛小説として読んだけど
子供の草子ちゃんが作中小学生〜高校生まで成長します。
たしか。
そう考えると家族小説でもあるんだなー。
でもやっぱりお母さんが強烈。
えくにさんの恋愛小説(特に最近の不倫モノなど)が苦手でも
これならまだいける・・・かも?
どうだろう・・・?
家族小説としてなら、
三姉妹ものの「思うわずらうことなく愉しく生きよ」の方がとっつきやすいか。。。
過去の感想:http://kinako777.jugem.jp/?eid=532
◆対岸の彼女 角田光代
あらすじ:
専業主婦の小夜子は、ベンチャー企業の女社長、葵にスカウトされ、ハウスクリーニングの仕事を始めるが…。結婚する女、しない女、子供を持つ女、持たない女、それだけのことで、なぜ女どうし、わかりあえなくなるんだろう。多様化した現代を生きる女性の、友情と亀裂を描く傑作長編。第132回直木賞受賞作。
高校生の頃のエピソードと、現在のエピソードが語られるので
一応このカテゴリにいれてみました。
正反対の女二人の話、というカテゴリでもあります。
(その手のお話もすき)
女のややこしい心の動きはやっぱり上手だな〜。
角田さんの書く嫉妬やみっともなさは、時にドキッとするほどです・・・・。
青春小説のさわやかさとは違うけど、これはこれで好きです。
◆太陽の座る場所 辻村深月
あらすじ:
高校卒業から10年。クラス会に集まった男女の話題は、女優になったクラスメートの「キョウコ」。彼女を次のクラス会へ呼び出そうともくろむが、「キョウコ」と向かい合うことで思い出される、高校時代の「幼く、罪深かった」出来事―。よみがえる「教室の悪意」。28歳、大人になってしまった男女の想いを描き、深い共感を呼び起こす傑作ミステリー。辻村深月の新境地。
作中で年をとるというより、過去のお話と現在の視点が交差するお話、かも。
でもとりあえず、最近読んでわりと面白かったので。
辻村さんも学園小説が多いな〜。
学園ミステリ、青春ミステリ好きはぜひ一読をおすすめ。
過去の感想記事:http://kinako777.jugem.jp/?eid=2344
◆私という運命について 白石一文
あらすじ:
大手メーカーの営業部に総合職として勤務する冬木亜紀は、元恋人・佐藤康の結婚式の招待状に出欠の返事を出しかねていた。康との別離後、彼の母親から手紙をもらったことを思い出した亜紀は、2年の年月を経て、その手紙を読むことになり…。―女性にとって、恋愛、結婚、出産、家族、そして死とは?一人の女性の29歳から40歳までの“揺れる10年”を描き、運命の不可思議を鮮やかに映し出す、感動と圧巻の大傑作長編小説。
29歳〜40歳なので、青春小説のさわやかさとは乖離してます。
がしかし、女の一生小説ではあるのであげてみました。
大人になるとしがらみが増えるなー。
青春成長小説と比較するとよりいっそう感じます。。。。
◆私の男 桜庭一樹
あらすじ:
優雅だが、どこかうらぶれた男、一見、おとなしそうな若い女、アパートの押入れから漂う、罪の異臭。家族の愛とはなにか、超えてはならない、人と獣の境はどこにあるのか?この世の裂け目に堕ちた父娘の過去に遡る―。黒い冬の海と親子の禁忌を圧倒的な筆力で描ききった著者の真骨頂。
むんむんして、もはや青春小説の爽やかさからは程遠いお話。
インモラルなお話が嫌いな人にはおすすめしません。
現在から過去へさかのぼる、父と娘の愛情沙汰。
「ファミリーポートレート」よりはこちらの方が好き。
家族小説という観点では、「赤朽葉家の伝説」の方が読みやすくて一般受けするかと。
過去の感想:http://kinako777.jugem.jp/?eid=1923
【番外編】
◆荒野 桜庭一樹
3巻のため晩がとしました。
中学〜高校まで、初恋を描いてます。
少女小説、初恋小説、青春小説、色んな観点から可愛く、面白いお話です。
というわけで、全部ではありませんがぱっと思いつくままあげてみました。
もっとあるはずなんだけどなあ。
シリーズものやファンタジーの成長物語も名作がたくさん。
今後も名作が生まれ続けるジャンルだと思うので
期待しつつまずは既刊本を読めるだけ読む!
が人生の一つの大きな目標です。
あらすじ:
そう、そろそろ桜が満開という頃だった。大学受験に失敗した僕は、予備校の特待生試験にはなぜか合格し、桜花寮に住むことになった。入寮式の日、これから共に勉強漬けの一年を過ごす(はずの)リュータやヨージと出会った。そして十年後、「リュータが死んだ」という噂を聞いた僕は―。青春の背中を追いかけていた浪人時代と現実を懸命に生きる今を重ねて描く、永遠の友情小説
浪人生を描いた青春小説。
また、登場人物たちが予備校の寮生でもあるため、
学生寮モノの小説でもあります。
どちらも好きなので早速トライ。
なかなか面白かったです。
・予備校の寮時代の回想
・予備校寮の仲間のうちの一人がICPO(国際警察)に入って殉職したという
噂を聞き、久しぶりに当時の仲間と連絡を取り合いながら真相を探る
という2つのパートからなっているので、
青春真っ只中のお話というよりは青春懐古小説かなーと。
真相を探ると描いたけれど、ミステリ的要素はありません。
幾つか出てきたキーワードに引っかかりを覚える方なら
読んでもそう損した気持ちにはならないと思います。
竹内さん(作者)は、青春小説をたくさん書かれているので
気に入った方は一通り読んでみるのもおすすめ。
大きなはずれは今のところなかったはず。。。
あらすじ:
チーム葬儀屋、出動!
毎度、ご愁傷さまです。
人生最後のセレモニー・お葬式は、“真心と信頼の旅立ち”セレモニー黒真珠まで、ご連絡ください。
『花宵道中』宮木あや子の最新作は初ラブコメ! でも、泣ける!
町の中小葬儀屋・セレモニー黒真珠は、忙しかったり、ヒマだったり。
いちおうまだ20代なのに40代にもまちがわれるほどシッカリしすぎな29歳女性・笹島に、悩めるメガネ男子26歳・木崎、何やらワケアリ気味の新人女性派遣社員21歳・妹尾。
葬儀屋を舞台に男女3人の仕事と恋愛を描く連作短編集。
宮木あや子流ラブコメは、泣けるラブコメ。
葬儀屋が舞台のラブコメ。
といってもドタバタ大騒ぎすぎる感じはない。
面白かったです。
宮木さんのお話の中では今のところこれが一番好き。
ポイントはやはり、全員が葬儀屋の仕事にプライドを持っていること。
義務や責任といったことに真摯な人がどんな物語でも好き。
そして、社会人であれば一日の大半を費やす仕事というものに
愛着やこだわりや誇りを持っているとなお好きだ。
そして、ここ1年でやっと自覚した。
私、メガネ男子が結構好き・・・。
メガネかけてりゃなんでもいいというわけではないけど、
メガネの似合う顔の人はいいなと思う。
自分はかけると老ける。。。。。
ちなみになぜいきなりメガネ話かというと、
葬儀屋勤務のちょっと変わったイケメン木崎くんがメガネ男子だったから。
手足が長くてひょろっとしていて、
黒縁メガネで、
シャイで愛想がなさそうだけど
話しかけるとわりとよく赤面して
友達は男子ばかりで
意外と人のことをよく見ていて
やるべきことはこなして
実は悪戯もすき・・・・。
そういう人を以前好きだったなー。
なぜか唐突にそれを思い出してしまった。
個人的な階層に終始して恐縮ですが、
とりあえず面白かったです。
おすすめ。