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評価:
河原 千恵子 集英社 ¥ 1,575 (2010-02-26)
Amazonおすすめ度:
ストンと胸に落ちるような… ここには現代の断片がある ひそかに生きづらさを感じている人に読んでもらいたい。 |
評価:
森 絵都 角川書店 ¥ 460 (2005-11-25)
Amazonおすすめ度:
厳しさとやさしさと。でも多少、展開が…… みんなに支えられて生きている いっしょうけんめい |
評価:
梨木 香歩 新潮社 ¥ 420 (2001-07)
Amazonおすすめ度:
いい話には違いないけど…… 最後5ページのクライマックスは、すごい。 魔女修行はいかが?! |
あらすじ:
中学一年生のあさぎは、母の再婚と私立中学への入学を機に新しい町に越してきた。新しい家族にも新しい学校にも馴染めない彼女の心の拠り所は、近所の郵便局に勤める青年、中村だった。―だから私は、中村さんのその「にこっ」という個人的な笑顔を見に郵便局に通うのを、誰にも秘密の、ささやかな楽しみにするようになっていた。子供でいられない子供達と大人になれない大人達の出会い。第二十二回小説すばる新人賞受賞作。
面白かった!
いつも居心地の悪さやもどかしさを感じている女子のお話が好きならぜひ。
精神的にやみがちな母親、その再婚相手との家族小説パート、
女子校での微妙な友人関係を書いた学園小説パート、
郵便局員への淡い気持ちを書いた初恋パート、
更にはその郵便局員が一人称の、世界となじめない青年パート。
盛りだくさんなようで、読後感としてはおおむね王道だったなあという一冊。
事件がちょっとあれかな、全く予想はなかった部分だなー。
《余談の本リスト:中学生女子が主人公のお話》
もう、これでもか、という位あるあるけど・・・・
夏なので、ベッタベタに、
読書感想文で使われやすそうな、
中学生女子小説を。
・つきのふね 森絵都
あらすじ:あの日、あんなことをしなければ…。心ならずも親友を裏切ってしまった中学生さくら。進路や万引きグループとの確執に悩む孤独な日々で、唯一の心の拠り所だった智さんも、静かに精神を病んでいき―。近所を騒がせる放火事件と級友の売春疑惑。先の見えない青春の闇の中を、一筋の光を求めて疾走する少女を描く、奇跡のような傑作長編。
森さんのヤングアダルト小説は好きだったな。
リズムから始まるシリーズや、DIVE!のようなストレートな青春もいいけど、
こういう揺れる女子の話が一番好き。
・宇宙のみなしご
あらすじ:
中学2年生の陽子と1つ歳下の弟リン。両親が仕事で忙しく、いつも2人で自己流の遊びを生み出してきた。新しく見つけたとっておきの遊びは、真夜中に近所の家に忍び込んで屋根にのぼること。リンと同じ陸上部の七瀬さんも加わり、ある夜3人で屋根にいたところ、クラスのいじめられっ子、キオスクにその様子を見られてしまう…。第33回野間児童文芸新人賞、第42回産経児童出版文化賞ニッポン放送賞受賞の青春物語。
同じく森さんのお話。
これも大好き。
・西の魔女が死んだ 梨木果歩
あらすじ:中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも…。その後のまいの物語「渡りの一日」併録。
もはや読書感想文の定番なのではないかと思われる西魔女。
でも、梨木さんは置くが深いので、
当たり外れがあるかも。
スピリチュアルなものは受け付けない人は苦手なお話も多いというのが最近の印象かなー。
その他、佐藤多佳子、湯本香樹実、笹生陽子、工藤直子、瀬尾まいこ、
花形みつる、魚住直子、梨屋アリエ、草野たき、伊藤たかみ、あさのあつこ、
あたりは中学生が主人公の小説がもりもりある印象。
YAから少女小説方向へ流れる女子や、
ミステリやSFに流れる女子、
いや、SFは少数派だろうな。
ファンタジー路線へ突き進む女子は多いだろうな。
まあ、なんにしろ本の世界は広くて広くて果てしない。
必死で読んでるのに、全然読みたい本が減らん・・・・・・・・・
というれしいけど切実な悲鳴をあげてしまう同士が増えると
少し嬉しい。
評価:
井上由美子 バップ ¥ 13,377 (2007-04-25)
Amazonおすすめ度:
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評価:
さそう あきら 双葉社 ¥ 630 (2005-01-28)
Amazonおすすめ度:
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あらすじ:
夏休みもあと数日。中学2年生の静男は、生後5ヶ月の赤ん坊を負ぶり保育所を探していた。10以上年の離れた花音と恋をして、優作が生まれた。しかし彼女は幼い父子を残し、消えてしまったのだ。もうすぐ二学期が始まる。急がなきゃ。しかし、中学生の保育所探しはどこからも相手にされない。途方に暮れながらそれでも、静男は優作を守ろうとするのだが…。14歳の父、5ヶ月の息子、幼い父子の、家族物語。
10歳以上の年の差恋愛をして、パパになった14歳の中2男子が主人公。
その設定にまず「え・・・っ」となるけど、
子供が生まれるまでの二人については余り書かれないし
(というわけで、年の差恋愛、年上の女性との恋愛の話を読みたい人には不向き)
何より、母、行方不明。
14歳で親になるというと、志田未来主演のドラマを思い出す。
14歳の母、主題歌のミスチルもよかった。
あれは、子供が出来てから産むまでが描かれていて、
その後については詳しく触れられることはなかった。
でも、万が一14歳に子供ができたら、
大変なのは産まれた後だろうから・・・まずそこから始まったのが面白かった。
テイストとしては、重い話題にも関わらずユーモアがあって読みやすい。
同じものを、たとえば柳美里さんが書いたら物凄いものが出てきそうだな・・・。
そんなに柳さんを呼んだことがないので、主にイメージとしての感想だけど。
というわけで、家族小説として一気読みできた。
シリアスでハードで重々しい雰囲気はないけど、
ユーモアの後ろに主人公の寂しさが透けて見えるようなお話だったな。
あともう一つ、子供に子供が出来て産んだ後を描いている話ということで
更に低年齢のさそうあきら「コドモノコドモ」をあげておく。
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あらすじ:
その「呪い」は26年前、ある「善意」から生まれた―。1998年、春。夜見山北中学に転校してきた榊原恒一(15歳)は、何かに怯えているようなクラスの雰囲気に違和感を覚える。不思議な存在感を放つ美少女ミサキ・メイに惹かれ、接触を試みる恒一だが、いっそう謎は深まるばかり。そんな中、クラス委員長の桜木ゆかりが凄惨な死を遂げた!この“世界”ではいったい、何が起こっているのか?秘密を探るべく動きはじめた恒一を、さらなる謎と恐怖が待ち受ける…。
綾辻さんを読むのは何年ぶりだろう・・・・?
高校生の頃、館シリーズを読んだなー。
今回は、学校の怪談にまつわるホラー。
青春小説的な要素もあり、ということで
大変読みやすく、分厚いわりにさほど時間はかからなかった。
書くのに数年要した作品らしいけど
読者側はこんなにあっさり、貪欲に消費するものだよなー。
気になる少女は幽霊なのかどうか、
クラスの皆が隠す秘密は何か、
そして死者は誰なのか。
ミステリ的な構成は綾辻さんぽいなあと思いつつ
今回の死者の招待はわりとあっさり想像がついてしまった。
犯人あてがしたくて読んだわけじゃないので
それはたいした問題じゃないか。
《余談の本リスト》
学園の七不思議に関するホラーということでぱっと出たのが六番目の小夜子。
こちらの方がより青春小説的。
恩田さんのホラーは「ホラー要素のある青春小説」と感じるものが多いな。
だからこそ好きなんだと思う。
もう一つ、
死者は誰だ?と登場人物が探すお話
・・・という切り口で思いついたのが
辻村さんの『名前探しの放課後』。
ただし、こちらは死者が紛れ込んでいるお話ではなく
3ヶ月前にタイムスリップして
名前を思い出せない自殺者を探してとめようとするお話。
しかも、「凍りのくじら」「ぼくのメジャースプーン」という別の作品と絡んでいるので
そちらを先に読めれたほうがより楽しめるかと。
辻村さんはスピンオフが多すぎるのがなー・・・。
好きだけど、薦めづらい点かも。
というわけで、長くなったのでここでおしまい。
あらすじ:
「しあわせのこみち」
T大学文学部二年生、清水あやめ。「感性」を武器に絵を描いてきたという自負がある。しかし、授業で男子学生・田辺が作った美しい映像作品を見て、生まれて初めて圧倒的な敗北感を味わい……。
「チハラトーコの物語」(「『嘘』という美学」を改題)
美人でスタイル抜群、ガチに博識でオタク。チハラトーコは、言葉に嘘を交ぜて自らを飾る「嘘のプロ」。恩師、モデル仲間、強気な脚本家との出会いが彼女にもたらすものとは?
「樹氷の街」
中学校最後の合唱コンクール。指揮を振る天木だったが、本番一ヶ月前になっても伴奏のピアノは途中で止まり、歌声もバラバラ。同級生の松永郁也が天才的なピアノの腕を持つことを知った彼は……。
辻村さん作の青春小説。
連作ではなく、それぞれ独立した物語で、
面白かったけどもう少しじっくり読みたかったなー。
とはいえ、この長さだから楽しめたのかもしれないとも思う。
がしかし!
これ、これまでの小説の登場人物のスピンオフか!
読んだ時はまるで気づかなかった自分のドンくささに悲しくなった・・・。
本好きですとか言っててこれは、、、と、
他人にはまるでどうでもよい理由でへこむ。
まあ、他人からどうでもよいことで悩むなんて定番ではあるけど。
個別の感想を少し。
◆しあわせのこみち
絵がうまい女の子の話。
「冷たい校舎の時は止まる」のスピンオフ。
そんなことにまるで気づかず、ただの短編として読んだけど。
プライドが高く、上から目線の女の子の話は好きだ。
なぜなら、見に覚えがあるからです!
もう少し前は、素直に好きと言いづらかったような気がするけど
年を重ねた分自分との共通点に共感できるようになったのかも。
恋愛部分はあまり興味が持てなかったなー。
◆チハラトーコの物語
人を傷つけない、エンターテイナーとして嘘をつく女の子のお話。
3つの中ではこれが一番好きだな。
上記と同じく、上から目線の女子話でもある。
美人で、
オタク趣味で、
さほど売れていないモデルの29歳、嘘つき。
また痛いプロフィール出してくるなー。
でもそういうの、好き。
「スロウハイツの神様」のスピンオフだそうです。
全然わからんかった・・・・・・・・・・・。
◆樹氷の街
合唱コンクールネタの短編。
伴奏の地味女子(おとなしい訳ではない)が多少痛いけど
これが一番ストレートな青春小説かと。
伴奏が出来るレベルではないのに自分からやると申し出て、
結局うまく出来なくてクラスの雰囲気は最悪。
指揮者の男子、
男子の友人とその彼女、
そしてピアノ少年。
最終的にきれいにまとまって、読みやすい。
でもなー、このお話が好きで他の辻村さんのお話を読むとどうなんだろう?
最初の2話に拒否感を覚える人は、更に辻村さんを深掘りしても
そこまで楽しい読書体験にはならない可能性あり。
あくまで可能性だけど・・・・。
「凍りのくじら」「ぼくのメジャースプーン」「名前探しの放課後」のスピンオフ。
悔しいけど、ちょっと過去の作品読み直すかなー。
そしてロードムービーも読み直しが必要かも。
ああ、くやしい。
あらすじ:
男と女。彼氏と彼女。親と子供。先生と生徒。爺ちゃんと婆ちゃん。世の中には、いろんな人たちがいる。そこには、「ダメ人間」と「しっかり人間」なんてのも。それぞれ“事情”を持つ彼らが描く恋愛&人生模様は、ありふれているけど、でも当人たちにとっては大切な出来事ばかりだ。そんな彼らがある日、ひとつの“糸”で結ばれる。とある掲示板に書き込まれた「カツ丼作れますか?」という一言をきっかけに。日常系青春群像ストーリー。
冒頭数ページの言い回しがどうにも苦手で断念。
面白いのかどうかも判別できず、でした。
気分じゃなかっただけという可能性もあるので
他の本で試してみます。
おきな方、申し訳ないです。
せめてもう少し読まないと面白い・面白くないという感想は語れない気がする・・・・。
仕事が立て込んだのと、人と会っていたからなのだけど・・・・
だめだな、ちゃんと読まないと、だめだな!
◆ドントクライ、ガール
裸族の三十路、見た目よしの男と同居することになった
女子高生が主人公のラブコメ。
ボーイズラブなのかなー・・・と思いながら読んだけど
そちらのジャンルではなかったので
そこが原因でためらっている方はご安心を。
ヤマシタさんは、ラブコメの方がすきだな。
シリアスで繊細なお話より、
コメディの中に細やかな心情表現が入るお話の方がぐっとくる。
展開的には、なにげに相当少女マンガだった。
面白さはまあまあ、かな。
期待値が高いだけに。
◆青空エール 5
野球の応援でトランペットが吹きたくて、名門吹奏楽部に入った主人公。
野球部のピュアな少年への片思いや
部活でのあれこれ、
とにかくもー全てがキラッキラの、どストレート青春少女マンガ。
あまりのストレートさに、わああといたたまれなくなることもあるけど、
こういうのを照れずにやりきれるのが少女マンガのよいとこだよね、とも思う。
今のところ、わああと一人部屋でいたたまれなくなりつつ、楽しく読んでます。
コンクールのメンバー入りと、先輩問題。
次回どう解決するか楽しみにしておきます。
あらすじ:
入学した大学で出会った5人の男女。ボウリング、合コン、麻雀、通り魔犯との遭遇、捨てられた犬の救出、超能力対決…。共に経験した出来事や事件が、互いの絆を深め、それぞれ成長させてゆく。自らの未熟さに悩み、過剰さを持て余し、それでも何かを求めて手探りで先へ進もうとする青春時代。二度とない季節の光と闇をパンクロックのビートにのせて描く、爽快感溢れる長編小説。
主人公は冷めた男子大学生。
場を読まない西嶋、女の子と遊んでばかりの鳥井、
超能力を持つ地味女子の南、クールな美女。
超能力だとか、事件だとか、物騒なエピソードはわりと多くて
それが物語りにも大きく影響しているけれど
やっぱり何よりこれは青春小説だなーと思った。
大学生が主人公の青春モノを探している人、
大学生じゃないけど青春小説を読みたい人にはおすすめ。
伊坂さんの中でもわりと好きなほうの部類かも。
《余談の本リスト》
大学生モノ、ということでざざっと。
◆太陽の塔、四畳半神話体系、夜は短し恋せよ乙女、など・・・
最近流行の男子大学生モノといえば森見さんかな、と。
文章に特徴があるので、未読の方はどこかで一度立ち読みしてからがおすすめ。
1、2ページ読んで面白いなら、きっと大丈夫。
◆からくりからくさ
梨木さんの大学生モノ。
芸術系の大学生モノかつ少し不思議な雰囲気なので、
どストレートな青春小説を御所網の方にはおすすめしづらい。
同居モノでもあるので、その手のものが読みたい人で
ファンタジー展開がきてもOKならおすすめ。
同じく梨木さんで、「村田エフェンディ滞士録」は異国かつ時代が違うけど
青春度がもう少し高めで、これまたおすすめ。
◆君は永遠にあいつらより若い
日常的に違和感を抱いている女子学生モノがすきなら。
ひねくれた女子モノ好きにも。
◆風が強く吹いている
もっともっと青春度を高めて面白いものならこれ。
スポーツ×大学生×寮という、ツボ要素ごった煮なところは三浦さんらしいと思う。
◆ミステリ系
有栖川有栖のありすシリーズ、
森さんのFになる〜以降のシリーズ(実はあまり読んでいないけど)
北村薫の「空飛ぶ馬」あたりのシリーズ。
◆恋愛小説
人のセックスを笑うな、ジョゼと虎と魚達、がぱっと思いつく。
吉本ばななでもなんかあったと思うし、
江国さんや山田詠美もきっといっぱいあったはず。
古典にいれたいけど、ノルウェイの森も、恋愛小説、なのかも。
などなど。
まだまだあるのだけど、きりがないのでまたいずれ。
あらすじ:
プロテスタント系の私立女子高校の入学式。中等部から進学した希代子と森ちゃんは、通学の途中で見知らぬ女の子から声をかけられた。高校から入学してきた奥沢朱里だった。父は有名カメラマン、海外で暮らしてきた彼女が希代子は気になって仕方がない。一緒にお弁当を食べる仲になり、「親友」になったと思っていた矢先…。第88回オール讀物新人賞受賞作「フャーゲットミー、ノットブルー」ほか全4編収録。
私立の女子校が舞台の連作短編小説。
この一文だけですごい好み、、、と思わざるをえない。
実際の読後感は普通だったけど・・・・。
女子同士のすれ違いの心理は、やっぱり女性作家の方がうまいなあと思う。
他人に優越感をもってしかなかなか接することができない女の子、
変わろうと夏休みにアルバイトを始める地味な女の子。
最終話は嫌いじゃないけど、できれば一一話目の子のその後の方が読みたかったなー。
あとは、出てくる沿線名を見ながら、多摩美かな?造形大かな?と些細なところが気になった。
別にどちらも母校でもなんでもないけど。
思春期の女子のどうにもコントロールできない感じ、
女子校が舞台の、コメディでも恋愛でもない青春モノを読みたい人は一読してもよいかと。
YAより一歩進みたい中学生にも読みやすいかも。
《余談の本リスト》
違和感を感じている女子高生のお話。
トーキョークロスロードは、恋愛要素多め、
リリイの籠は女子高生以外の主人公もあり、
ただし全て女子校関係者。
違和感を抱く高校生という点では
「ぼくはかぐや姫」とか
「よろこびの歌」とか
「ミュージックブレスユー」とか
色々ありすぎて大変。
大好きなジャンルなので、多分その何倍もの年になっても生きている限り読むつもり。