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あらすじ:
“さくらの丘”を満ちるたちに遺す―。遺書には、祖母が少女時代を送った土地を譲ると書かれていた。一緒に渡されたのは古びた鍵がひとつ。祖母の二人の幼なじみも、同じメッセージをそれぞれの孫たちに伝えていた。なぜ、彼女たちは孫にその土地を遺したのか。鍵は何を開けるものなのか。秘密をさぐりに三人の孫は、祖母たちの思い出が詰まった地を訪れた―。三人の少女たちの青春が刻まれた西洋館、そこを訪れた私たちが見た光景は―二つの時代が交差する感動の物語。
大好きだった祖母の遺言で、西洋間と謎の鍵を譲り受けた主人公。
鍵と西洋館。
なんてワクワクする組み合わせ!
しかも、西洋館を相続したのは、
祖母の友人の孫二人を合わせた3人の女性とくれば
私のツボ要素が多すぎて困るくらいだ。
というわけで、最後まで楽しく読めた。
過去パートと現代パートという構成、祖母の日記・・・
とくれば中島京子さんの『ちいさなお家』もそうだったなー。
お話としては『小さな〜』のほうが面白かった。
とりあえず、あらすじで気になった人は呼んでみるとよいかも。
読みやすいし、
求めているものに近いものが得られる気がする。
あと一つ、祖母の過去、というキーワードで思い出した小説は
大島真寿美『やがて目覚めない朝がくる』
桜庭一樹『赤朽葉家の伝説』
などなど。
おばあちゃん小説にするともっとあるか。
最近だと『西の魔女が死んだ』とかがわかりやすく売れたおばあちゃん小説かな?
『がばいばあちゃん』は未読。
まあ、ともかく、おばあちゃん、大好き。
もう死んじゃったけど、今も好き。
評価:
西村 すぐり ポプラ社 ¥ 1,260 (2008-10)
Amazonおすすめ度:
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あらすじ:
バイオリンをやめようと決意した夏、1枚の楽譜と出会ったことから、少年の運命は大きくうごきだした。―夢を追い求めるあなたに贈る物語。第1回ポプラズッコケ文学賞入選作。
コンクールで本選出場は固いと思われていた少年が失敗、
バイオリンをやめたくなっていた時に一つの楽譜を出会う。
主に広島を舞台にすすむ音楽青春小説。
わりと面白かったけど、ボリュームが足らなくてちょっと物足りない。
もうこの本を読むには年をとりすぎているからかもしれないけど。
音楽青春ものが読みたい人なら、それなりに楽しく読めるのでは。
バイオリンが出てくる小説を幾つか。
・カルテット 鬼塚忠
家族でカルテットを組む、音楽青春小説。
少年が主人公で、『ぼくが〜』を面白いと思った人が求めるものに近いかも。
・春のソナタ 三田誠広
あらすじ:
聡明で、魅力的な表情の女性だ―十七歳の直樹が年上の早苗に抱いた第一印象である。高校生のバイオリニストの直樹は、音楽を愛しながらも、ピアニストの父と同じ道を進むことをためらう。そんなある時、美貌の早苗に出会った。その時から彼の生活に明らかな変化が起きる。高校生の愛と自立、人生の試練を流麗に描く青春小説。
バイオリンを弾く少年が主人公の青春小説。
ぼくが〜より年齢は高い分、恋愛要素なども込み。
三田さんで音楽で青春、というと『いちご同盟』もあったな。
あれはピアノだっけ?
・マエストロ 篠田節子
音楽ミステリ、大人の主人公なので、経路はだいぶ違うけど
バイオリンは出てくる。
・カノン 篠田節子
篠田さんは音楽ものが多いなー。
こちらもバイオリニストが出てくる。
ホラーなので、『ぼくが〜』とは音楽系という以外はかぶらないかと。
・北京バイオリン 伊藤卓
あらすじ:
江南の水郷に暮らす十三歳の少年・劉小春は、近隣では知らぬ者のいないバイオリンの名手。彼は北京で開催される全国コンクールに参加するため、父・劉成と共に上京することとなるが、この旅で彼の人生は大きく変わることとなる。北京で彼が出逢うのは、挫折した天才バイオリン奏者、愛に飢えた孤独な美女、元詩人だという謎めいた男…。凄まじい勢いで変貌を続ける大都会・北京で小春は思春期の階段を上り、複雑な大人の世界を垣間見ることとなる。そして彼の秘められた過去が目を覚ます…。
その名のとおり、バイオリンもの。
少年主人公。
・消えたヴァイオリン スザンヌ・ダンラップ
あらすじ:
クリスマスイブの日、父さんは、冷たくなって帰ってきた。いつも持っていたヴァイオリンがない。どうして、こんなことに…。主人公の少女テレジアは、勇気を持って父の死の謎に立ち向かうことを決意する。18世紀の音楽の都ウィーンを舞台にしたスピード感あふれる冒険ミステリー。
18世紀ウイーンが舞台の歴史ミステリ。
ヴァイオリンつながりでしかないけど・・・好評なようなので挙げておく。
・狂った旋律
あらすじ:
ロンドンのオークションで、17世紀チロル産のバイオリンを手に入れた「私」のもとへ、小説家と称する人物が訪れた。熱に浮かされたように、その楽器を買い取りたいと言う彼は、やがて自らの不思議な経験を語りはじめた…話者をかえながら、終始一人称で語られるこの小説の核になるのは、一人の辻音楽師の長い長い身の上話だ。ナチズムが影を落とすヨーロッパを舞台にした、彼の数奇な運命とは。そして最後に明かされる、意外な事実とは。50歳でデビューをはたした異色作家による、妙味あふれる小説。
ずいぶん前に読んだ本。
あまり記憶がないけど・・・・とりあえずバイオリン出てきます。
・謎のヴァイオリン
あらすじ:
希少価値ではストラディヴァリをはるかに凌ぎ、豊かな音量と華麗な響きゆえ名演奏家に愛好者の多い、ヴァイオリンの銘器、グァルネリ。行方不明だったそのグァルネリの一挺が、いくつにも分解された姿で発見された。誰が、何のために仕組んだことなのか?元麻薬捜査官のヴァイオリン鑑定家が、その謎を追う。
バイオリン鑑定家というのが珍しくて印象に残っている。
でもそれ以外は忘れてしまった。。。。
・ヴェネツィアの悪魔
あらすじ:
水の都ヴェネツィア。10年前に殺害された美貌のバイオリニストの墓から、遺体とともに埋葬されたガルネリのバイオリンが盗まれるという事件が起こった。それから3ヵ月後。ヴェネツィアの骨董商スカッキの館に、夏の間だけ資料整理のアルバイトとしてやってきたイギリスの青年ダニエルは、館の地下で古い作曲者不詳の楽譜を発見する。消えたガルネリと楽譜にまつわる謎が、ダニエルを18世紀に起こった悲劇へと誘う…。歴史と音楽が紡ぐ幻想的なミステリ。
ベネツィア小説として認識していたけど、そーだ、これもバイオリン出てきたわ、と。
青春小説じゃなくて歴史音楽ミステリだけど。
以上。
くれぐれも音楽性旬小説を読みたい人向けではなく、
作中でバイオリンもしくはバイオリニストが重要な位置を占めているお話と
いう観点でのリストなのでご注意ください。
クラシック音楽青春小説を読みたい方は
とりあえず『船に乗れ!』がおすすめ。
評価:
ヤマザキマリ エンターブレイン ¥ 714 (2010-09-25)
Amazonおすすめ度:
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古代ローマの建築家が現代の銭湯に毎度トリップする、銭湯マンガ。
面白いけど、ネタ探しが大変そうだなー。
気楽に読めるコメディなので重宝してます。
というわけで、テルマエロマエが好きな人が楽しめるかどうかはさておき。
銭湯がメインの舞台として出てくる銭湯マンガを幾つかあげておきます。
◆あいびき 勝田文
あらすじ:
銭湯にあるのはマイナスイオンだけではない!? 半年前に離婚し、家業の地域密着型銭湯「山の湯」で働く鞠。そこでは、様々な人情劇が繰り広げられていた…。他4編収録。
勝田さんのかわいさ、ユーモアが絶妙で大好きな1冊。
全てが銭湯のお話ではないけど、タイトルの「あいびき」の舞台が銭湯。
ここに男が一人加わって話が進む。
女性向けだけど、比較t期男性でも読みやすい作家さんなのでは。
そうでもないか?
◆アンダーカレント
あらすじ;
ほんとうはすべて知っていた。心の底流(undercurrent)が導く結末を。
夫が失踪し、家業の銭湯も手につかず、途方に暮れる女。やがて銭湯を再開した女を、目立たず語らずひっそりと支える男。穏やかな日々の底で悲劇と喜劇が交差し、出会って離れる人間の、充実感と喪失感が深く流れる。
主人公がきりもりするさびれた銭湯に男がやってくる、
というのは勝田さんと同じなのに、味わいは全く違う。
あまり多くは語られず、静かに進む(でも少し不穏な)物語の流れに
ぐっともぐって読むのは楽しい。
少女マンガや少年漫画はもうちょっと、という人
サブカル趣味のある人あたりは好きな雰囲気じゃないかな、と。
◆いっしょにおふろ タアモ
お風呂が壊れて銭湯通いをする主人公女子が
銭湯で合う男子が気になるという少女マンガ。
かわいらしいタイトル、
かわいらしい表紙、
かわいらしいキャラ、
かわいらしいお話。
これぞ少女マンガだなー。
ピュアでかわいい女子にきゅんとしたい人にはおすすめ。
渡辺ペコさんが、最近お風呂ネタでマンガを描いていると聞いたので
そのうち本になるのを楽しみにしよう。。。
意外と銭湯マンガってないんだなー。
4コマで見た気もするけど。
小説だと、
井上荒野『ヌルイコイ』。
たしか銭湯で青年と出会って恋をするお話。
銭湯がわりとよく出てくるなーと思った記憶あり。
角田さんでもなんかった気がするけど・・・・。
でも、数としてはやっぱり少ないのかなー。
新刊コミック感想メモ。
どれも好きな漫画家の好きなシリーズの新刊たち。
◆宇宙兄弟 11
あらすじ:
2025年、NASAは日本人宇宙飛行士・南波ヒビトを含む、第1次月面長期滞在クルーのメンバーを発表。時を同じくして日本では、自動車の設計をしていた南波ムッタが会社をクビに。大きく異なった運命を歩んでいたふたりの兄弟。しかしそれぞれの未来が、幼少時代に交したある約束によって、動き出そうとしていた。
砂漠でのサバイバル訓練を最下位で終了する六太達。しかしチームの絆は深まった。次の訓練での巻き返しをはかるが、サポート役についたのは酔いどれの技術者、ピコ。本気での失敗をくり返す六太に、ピコだけでなくビンスも惹かれはじめる。六太の姿で二人が思い出すのは宇宙を目指すきっかけとなった大切な記憶。
青春もので、宇宙もので、職業もの。
私のツボがつまった面白いシリーズです。
安定して面白い乗ってすごいことだな。
◆にこたま2
あらすじ:
あっちゃんに、会社の同僚・たかのさんとの間に子供が出来たと告白したコーヘー。大口論の末、二人は一緒に問題を解決する道を選んだ!? 明るい家族計画、絶賛失敗中の最後の思春期、第三次性徴白書!!
三十路直前、付き合って9年で同棲5年のカップルが主人公。
1巻を読んですごく続きが気になっていた漫画。
今回も面白かったな。
きゅんとしたり、スカッとしたりするのとは違う面白さ。
きついな、と思うところと、笑えるところのバランスが私の好みに合っている。
全員が善人でハッピーエンドという漫画とはまた違う世界のお話。
小刻みに笑いが入るけど、エピソードそのものは重いなあ。
でも、そこがすき。
◆夏雪ランデブー 2
あらすじ:
「いっぺん、体貸してくれる?」 島尾の提案に葉月の出した答えは? そして、揺れ動く六花の想いは――? 低温一途青年×さっぱり未亡人×草食系執着霊が絡み合う三角関係。 争いは一気に過熱してゆく――
花屋の店長に恋する青年が主人公。
それだけならただの年上恋愛ものなんだろうけど、
今回は店長の死んだ夫の幽霊が、主人公にだけ見える・・・という展開。
なかなかに面白いけど、
河原さんの本なら、ついてない関根さん(でも美形)の話のほうがすき。
◆潔く柔く 13(最終)
ようやく完結。
カンナちゃんは、学生時代のお話は好きだったけど
その後はなんだか興味が目減りして楽しみきれなかったなー。
最終巻の今回も、カンナちゃんがどうこうより、
友人主人公の読みきりのほうが好きだった。
こんなに幸せそうないくえみさんのラブコメを読んだのは久々、
というのが感想。
◆みどりのまきば 2(最終)
おさななじみの小学生たちが主人公の漫画。
面白かったなー。
一卵性双子の成長エピソードも、
背の高い女子の恋エピソードも、
いやみな転校生の話も、
毒がありつつ幸せな世界のお話だったと思う。
『腐女子っス!』のが有名なんだろうけど
こちらの方がより入りやすいかと。
2巻完結だし。
今後の作品にも期待。
あっと驚くようなものすごい奇跡的な何か、という展開はないのだけど
色々とある王道要素に一ひねり+毒っけがあって
大人の描く優しい世界のお話が多いと思う。
◆君に届け 13
知らない間に映画化が決まっていたらしい黄身に届けももう13巻。
一応は気持ちは君に届いたはずなんだけど、
今度は恋人同士という関係の中での感情のやり取りを
これまたはず貸しほどにうぶうぶと丁寧にやっている。
少女マンガかくありき、という感じ。
主人公カップルより、友人のエピソードのほうが好きなのは変わらないな。
評価:
赤石 路代 小学館 ¥ 670 (2010-02-13)
Amazonおすすめ度:
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あらすじ:
全国大会での優勝経験もある、光が丘中学校吹奏楽部の夏の合宿先に選ばれたのは、神主島という、島原半島のほど近くに浮かぶ小さな島だった。しかし、この島で充実した合宿生活を送るはずだった彼らを待ち受けていたものは…。壮大な運命に立ち向かう少年少女たちを描いた、著者渾身の感動巨篇。
主な登場人物たちは、少し前まで名門だった吹奏楽部の部員たち。
彼らの夏合宿からストーリーが始まる・・・・とすれば、
最近流行の青春部活ものみたいだけど、
実際はSF。
以下ネタばれを含むため閲覧にご注意ください。
というわけで、私の大好きなタイムスリップものでした。
しかし・・・・国内で過去へタイムスリップして、
その先が島原の乱前後って言われると、すぐ思い出すのが
『AMAKUSA1637』(赤石路代)。
これも同じく島原の乱以前にタイムスリップするお話。
こちらの方が、もっと乱そのものにかかわっていくけど。
教室ごとここではないどこかえ、という点では『漂流教室』を思い出すし
小説だと『続・戦国自衛隊』がたしか島原の乱まで戦ったはず。
現在からタイムスリップするお話という大きなくくりにすると、さらに名作がわんさか・・・・。
そのうちタイムスリップモノの一覧でも作ってみようかなー。
これまた妖怪ものくらい果てしない気がする。。。
あらすじ:
「四人ゲーム」。まっくらな部屋の四隅に四人の人間が立ち、肩を順番に叩きながら部屋をぐるぐる回るゲームだ。とうぜん四人では成立しないはずのゲームを始めたところ、忽然と五人目が出現した!でもみんな最初からいたとしか思えない顔ぶればかり。―行者に祟られ座敷童子に守られているという古い豪壮な屋敷に、後継者選びのため親族一同が呼び集められたのだが、後継ぎの資格をもつ者の食事にのみ毒が入れられる事件や、さまざまな怪異が続出。謎を解くべく急遽、少年探偵団が結成された。もちろんメンバーの中には座敷童子も紛れこんでいるのだが…。
旧家に集まった親戚たちの中から跡継ぎ選びをする中
連続して事件後こる。
そして、一人増えた子供・・・というホラー+ミステリのYA。
普通に面白く読めた。
旧家が舞台のお話はやっぱりすきだなー。
座敷わらしものでもあるので、その手のお話が好きな人も。
ついでに、最近読んだ座敷童子ものということで
「いとしの座敷わらし」をあげておきます。
あらすじ:
寄り添って暮らす三姉弟の秘密とは?家族のほころびと再生を詩情あふれることばでつづる新境地。
占い師の長女、会社員の次女、アルバイトの弟。
ひっそり始まった姉弟小説だと思ったのに・・・!
ぺ=自我進むごとに不穏な空気。
でも、けして謎が明かされない・・・・。
少しずつ壊れていく姉や弟も、
「らいほうさん」って何だ?という謎も、
奇妙な女も、
あれこれ考えると怖い。
不思議な本でなかなか楽しめました。
評価:
毛利 志生子 集英社 ¥ 540 (2004-06-03)
Amazonおすすめ度:
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あらすじ:
ダシュティは15歳の女の子。
プリンセスの侍女としてお城で働くはずだったのに、
政略結婚を嫌ったサレン姫と一緒に塔に閉じ込められてしまう。
そして、姫を守るためプリンセスのふりをすることに!ふたりの運命は?
遊牧民の侍女と王女は、王様に逆らった罰で何年も塔に閉じ込められる。
塔に閉じ込められてからの7年間を日記形式で書いたファンタジー。
遊牧民も、王国ファンタジーも、めげない侍女も大好きだけど
どうにもはまりきれないのは、やっぱり翻訳が苦手だからだろうなー。
今回の翻訳家さんだ駄目だというわけではなく、
そもそも、翻訳自体が苦手と言う私の個人的な事情によるもの・・・。
翻訳がOKで、上記のポイントがツボな人は一読してもよいかと。
遊牧民と王女様、ということで思い出すのは
毛利さんの『風の王国』シリーズ。
唐からモンゴルへ嫁いだお姫様が主人公の歴史大河ロマン。
少女小説なので恋愛部分は甘いけど、
この地域を舞台にした小説が読みたい人は一読の価値があるかと。